はじめに

こんにちは。

不動産投資ではアパートやマンションを購入することが多いですが、
アパートは木造、マンションは鉄筋コンクリートのように
建物の構造が違いますよね。

また戸建て賃貸はほぼ木造ですね。

では、不動産投資をするときに、
木造って果たして投資対象として良いのでしょうか。

実は昨日、
不動産コンサルタントの実務研修を受けてきました。

ちょうど建築の講習だったこともあり、
木造建築についても学びました。

今回はそこでインプットしたものをアウトプットする意味も含めて
「不動産投資では、木造アパートはどうなのか?について書いていきたいと思います。

木造建築とは

そもそも木造アパートの「木造」ってどんなものなのでしょう?

木造の工法には2種類あります。

○木造軸組工法

木造軸組工法は日本の伝統的な工法として古くから有名な工法です。

在来工法とも呼ばれていますね。

柱や梁、桁、などの部材で骨組みを作って建物を支える工法です。

具体的にはコンクリート基礎の上に土台(横軸)を置いて、
その上に柱(縦軸)と梁(横軸)などを組み合わせて建築していきます。

木造軸組工法の特徴は
部材が「木」なので、
部材の長さを自由に決められます。

なので、他の工法と比べて設計の自由度が最も高いんです。

それに、増改築も簡単です。

今でも、日本の木造住宅の約8割が
この木造軸組工法です。

○木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)

ツーバーフォーはよく耳にしますね。

「ツーバイフォー」とは2×4の意味です。

もともとは北米の住宅で使われていました。

「インチ」を寸法の基準として2×4、2×6みたいに
すべて規格化された寸法の部材を使います。

そして、この寸法の枠材と板で作られたパネルを
床→壁→天井(2F床)の順でくみ上げていきます。

さすがアメリカ、合理的ですね。

四方と床、天井の6面の壁で構成されているので、
耐震性にも優れています。

あの、阪神淡路大震災でもほとんど被害がなかったようです。

壁の位置や長さなどが構造上重要になります。

実は釘の種類や間隔も細かく定められているんです。

なので、すごく大きな窓を付けたい!
なんていうときには制約が生じることがあるんです。

木造建築のメリット

では、木造のメリットは何だと思いますか?

私なら以下の3つを挙げます。

・新築するときに設計の自由度が高い
・鉄筋コンクリート(RC)造に比べて建築コストが安い
・1棟物中古物件も木造アパートはRCマンションより比較的安く買える

・新築するときには設計の自由度が高い
先ほども書きましたが、
木造、特に木造軸組工法は設計の自由度が高いです。

高さも制限されている狭い土地で
物件を建てるときには木造が良いと思います。

・鉄筋コンクリート(RC)造に比べて建築コストが安い

これは、だいたい検討がつくと思いますが、
はやり木造のほうがRCより建築コストは安いです。
木造は平均坪単価30~60万が相場ですが、
鉄骨(S)造は60~90万、RC造は70~100万以上かかります。

・1棟物中古物件も木造アパートはRCマンションより比較的安く買える

同じ築年数であれば、普通は木造アパートのほうが安く買えますね。
資金に余裕があって、戸数もたくさん欲しければ
RCのマンション1棟買っても良いと思いますが。。

ちなみに私はRCの物件は持っていません。
すべて木造アパートです。

ただし、マンションは1棟ではなく、一部屋を買うという区分投資もできますね。
初めて不動産投資をする人が少ない資金から始めるのであれば
RCマンションの区分投資から始めるのがおススメです。

こちらは木造か、RCかという比較ではないですがご参考まで。

木造建築のデメリット

では、逆に木造のデメリットを考えてみましょう。

私は以下の3つを挙げます。

・RCに比べて地震に対する不安がある
・RCに比べて音のトラブルが起きやすい
・物件の階数が制限される

・RCに比べて地震に対する不安がある

これはあえて詳しく説明しなくてもいいかもしれませんが、
一般的にはRCのほうが地震に対しては強いといわれています。

ただし、建築士さん曰く、コストや工期を度外視すれば、
住宅の構造による耐震性の優劣はないそうです。

最近の耐震、免震の技術は素晴らしいので、
木造が全くダメな訳ではありません。

最近の物件では金物を使って耐震性を増しています。

また、中古物件を検討する際は耐震補強なども視野に入れて
検討することが大切です。

ちょっと話がそれますが、
絶対に頭に入れておくことは、

「私たち不動産オーナーは入居者の命を預かっている」

このことは忘れてはいけません。

・RCに比べて音のトラブルが起きやすい

木造ではやはり音の問題は避けては通れません。

音のトラブル関しては、RCマンションのほうが少ないと思います。

音の伝わり方には2つあります。

・軽量床衝撃音
スプーンなどを床に落として「コツン」といったり、
スリッパで歩いて「パタパタ」するように、
比較的軽めで高音域の音を言います。

軽量床衝撃音はマンションのほうが伝わりやすいようです。

・重量床衝撃音
子どもが飛び跳ねたり、椅子を動かしたときなどに、
「ドスン」「ガタン」と大きく下の階に伝わる
鈍くて低い音を言います。

木造アパートではこちらのトラブルが多いですね。

・物件の階数が制限される

狭くても、高さも制限が緩い土地では
物件を建てるときにはRC造で高さを稼ぐことで

収益性を高くすることができますが、
木造では階数に限界があります。

木造建築の一番の問題は○○!

先ほども書きましたが、
木造の一番の問題、それは・・・

「音」の問題なんですね。

新築であれば、当然ですが、建てる前から
対策をとっておくことで
トラブルを少なくすることができます。

建物を建てた後や、中古物件の対策に関しては
二次的対策を講じることで
音の問題を軽減することができます。

音に対する対策は、実は結構難しいんですよね。

なぜなら、音は人によって感じ方が違うからです。

たとえば、
騒音レベルをデシベルという単位で測ったとしても

基準が数値では示せても、
どこからが「騒音だ」
とかいう明確な規定はできないからです。

それを踏まえたうえで、
音に対する対策をいくつか
見てみましょう。

・遮音対策

窓の気密性を高くしたり、
壁や床を厚くして音の進出を防ぐ方法です。

具体的には
壁の厚さを厚くしたり、
壁に張る石膏ボードを2枚にするなどがあります。

ネックなのは、あとからやることが難しいんです。
なので、リフォーム時などにやるのが良いですね。

私のシェアハウスでは部屋のリフォーム工事の時に
石膏ボードを厚くしたうえで
金属板を入れて遮音性能を高めました。

・吸音対策

発生した音を吸収して
音自体のエネルギーを減少させる方法です。

具体的には
グラスウールなどの材料を入れるのが有効です。

吸音に関しては、極端な話、カーテンを付けるだけでも変わります。

・軽量床衝撃音対策

こちらは、主に
床にカーペットや絨毯を敷くことが効果的です。

私の築古の物件ではまだ畳部屋がありますが、
実は畳はこの軽量床衝撃音対策には有効的なんです。

なので、2階は敢えて畳のままにしてある部屋が多いです。

・重量床衝撃音対策

こちらは、床の厚みを増すことが対策となりますが、
そう簡単ではないので、やはりカーペットなどを敷くことで
幾分緩和させることができます。

不動産投資で木造建築ってどうなの?

私は今、シェアハウスを含めて4棟の木造物件を持っていますが、
どの物件でも一度くらいは音の問題はありました。

ただ、最近はあまり大きなトラブルまでは発展していません。

なぜか?

それは入居時に音のトラブルについて、
しっかり説明して納得して入居してもらっているからです。

築古物件は管理会社に任せていますが、
管理会社には音に関しては特に
事前にしっかり説明するよう
お願いしています。

シェアハウスは自分で入居者と面談しているので、
その際に契約書と利用細則をすべて読み合わせをして
納得いただいてから入居させています。

音に関しては、人と人との間の問題が多いので、
大きなトラブルになる前に
問題を把握して、
すぐに対策を講じることが大切ですね。

こうすることで、木造アパートであっても
音の問題はある程度クリアできると思っています。

入居者の方が、木造アパートの音に関して
ある程度の認識を持って入居頂ければ

不動産投資で木造アパートを持つことは
問題ないと思っています。

むしろ、投資効率を考えると
良い投資ができるのではないでしょうか。

まとめ

ということで、まとめてみると

木造には
木造軸組工法と木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)がある

木造のメリット

・新築するときに設計の自由度が高い
・鉄筋コンクリート(RC)造に比べて建築コストが安い
・1棟物中古物件も木造アパートはRCマンションより比較的安く買える

木造のデメリット

・RCに比べて地震に対する不安がある
・RCに比べて音のトラブルが起きやすい
・物件の階数が制限される

木造で一番の問題は音の問題である。

・遮音対策
壁の厚さを厚くしたり、石膏ボードを2枚にする

・吸音対策
グラスウールなどの材料を入れる

・軽量床衝撃音対策

床にカーペットや絨毯を敷くことが効果的

・重量床衝撃音対策

床の厚みを増す

・不動産投資で木造はどうなのか?

入居者の方に木造の音に関して
ある程度の認識を持って入居してもらえば
大きなトラブルになる可能性が減る

よって
木造への不動産投資は、
個人的には良い投資になり得ると思っています。

今回は不動産投資で木造はどうなのか?
ということについて大まかにまとめてみました。

構造別の詳しい比較などは
また別の記事で追記していく予定です。

何か不明点、聞きたいことなどがありましたら、
お気軽にお問い合わせくださいね。

それでは今回も最後までお読みいただきありがとうございました。