はじめに

こんにちは。
ここ数か月テレビなどで、
シェアハウス投資の問題が大きく取り上げられていますね。

スマートデイズという会社が
シェアハウス投資は儲かりますよ、
と言ってサラリーマンを中心に話を持ち掛け、

投資はしたのはいいけど、うまく入居者が集まらず、
本来貰えるはずの家賃収入が入ってこないために、
ローンが払えなくなり窮地に立たされている方が700人以上いるとう問題ですね。

結局スマートデイズは破産し、
オーナーはそのままローンを払い続け、
自己破産や自殺者も出してしまい社会問題にまでなっています。

私もシェアハウスを経営しているので、
この話は黙ってみているわけにはいかないな、と思いまして、

今回はこのシェアハウス投資投資って結局どうなのか?

ということについて書いてみたいと思います。

シェアハウスとは? 人気の理由は?


まず、シェアハウスってどういうものなのか、
をおさらいしてみましょう。

シェアハウスとは読んで字のごとく、

「ハウスをシェアする」

つまり、一つの家をみんなで共有して生活するタイプの借家です。

具体的には各自の部屋は独立して存在し、
共有で利用できるキッチンやバス、トイレなどが
備わっている形のものが多いです。

(後述する「かぼちゃの馬車」といういシェアハウスには
共用部がほとんどありません。)

ですので、一軒家だけではなく、
ファミリー向けマンションの各部屋を
みんなで共有するタイプのシェアハウスもあります。

以前はシェアハウス専用の一軒家を建てるということはあまりなくて、
もともとは家族で住んでいた一軒家が空き家になってしまったので、

その家をリフォームして
シェアハウスとして提供するというやり方が主流でした。

しかしシェアハウスのニーズが高まるにつれて、
シェアハウス専用として物件を建てるやり方もでてきました。

シェアハウスは圧倒的に女性専用が多いんです。

なぜシェアハウスは女性に人気が高いのでしょうか?

それは一人ではないという「安心感」があるからです。

良くシェアハウスというと
いつもみんなとワイワイ楽しみながら生活しているんだろうな、
と思うかもしれません。

もちろんそういうシェアハウスもあります。

ですが、実はシェアハウスでも、
特に女性専用シェアハウスでは、
人気の一番の理由は安心感なのです。

つまり
自分のプライベートが確保されていつつ、
一緒に住んでいるという安心感が
女性専用シェアハウス人気に火をつけた理由です。

シェアハウス投資ってどういうもの? 儲かるの?


というわけで、
若い人、特に女性には大人気のシェアハウスですが、

その「シェアハウスに投資をする」というのは
どういうものなのでしょうか?

先ほど書きましたが、
最近は最初からシェアハウスとして
建物を建てるケースが増えてきました。

このケースは
個人が自ら企画して物件を建築するというよりは、

現在問題となっているような
シェアハウス企画運営会社が
工務店、銀行と手を結び、

オーナーを募集して
シェアハウスを建てるというものです。

このケースの場合、
ほとんどは運営会社とオーナーとの間に
「サブリース契約」なるものを結びます。

サブリースとは日本語で言うと、
「一括借り上げ・家賃保証」契約です。

建てたシェアハウスを
運営会社がオーナーから一括借り上げをします。

そして、
借り上げたシェアハウスは
一定期間家賃を保証しますので、

オーナーは何もしなくても
毎月安定した家賃収入を得ることができるという仕組みです。

言い方を換えると、

金だけ出せばあとは運営会社に丸投げして
「不労収入が手に入る」

という美味しい投資案件となるわけです。

なるほど、「ラク」そうでいいですね(^^♪

これなら多少空室があっても、家賃保証があるから安心だ!

しかも人気のシェアハウスなのだから、確実に儲かるじゃないか!

ということで
沢山のオーナーさんがシェアハウス投資に走った訳です。

今回は細かいことは省きますが、
シェアハウスは通常のアパートやマンションに比べて
比較的家賃収入が多いです。

たとえば、
70平米位の平均的な3LDKのマンションを
一世帯のファミリーに貸すと、
大体13万~15万円くらいの家賃が取れます。

このマンションをシェアハウスにして、
一部屋6万円で貸すと18万円の家賃を取ることができます。

これが一戸建てならその差はもっと大きくなります。

今回問題になっている
かぼちゃの馬車というシェアハウスは
一部屋が約3帖の部屋です。

同じ大きさのアパートなら
6部屋しか作れないところに
10部屋以上の部屋を作ることが可能です。

そうすると、
家賃は、ほぼ2倍近くまで取ることも可能なわけです。

運営会社は
通常のアパートより多くの管理費用を貰いますが、
それでも家賃総額が大きいのでオーナーも十分儲かりますよね。

ということで運営会社曰く、
「Win-Win」のビジネスモデルです!
と胸を張っていたようです。

つまり、
シェアハウス投資は通常のアパート、マンションに比べて
魅力的な投資案件なのです。

「かぼちゃの馬車」は何が問題だったのか?


なるほど、
シェアハウス投資は通常のアパート、マンションに比べて
優れた投資案件なのはわかりました。

では、
なぜ「かぼちゃの馬車」のシェアハウス投資は
失敗したのでしょうか。
何が問題だったのでしょうか。

先ほど書きましたが、
シェアハウス投資にしろ、アパートやマンション投資にしろ、

不動産を購入したあとに、運営を成功させるうえで
一番大切なポイントは、何だと思いますか?

それは

「空室を出さない」ということです。

それはそうですよね・・・

先ほどの「Win-Win」のビジネスモデルは
シェアハウスが安定して「稼働」していることが
大前提なのです。

シェアハウスが
入居者にとっても魅力的で、
沢山の方が住んでくれている・・・。

この状態であれば、
全く問題はありませんよね!?

ところが、
「かぼちゃの馬車」というシェアハウスの稼働率は
全体で5割を切っていたようです。

酷い建物では
2~3割の稼働というシェアハウスもあったようです。

つまり、
大前提である「稼働」がされていない物件が多くなってしまったことが
「かぼちゃの馬車」の一番の問題だったのです。

その原因となったのは
僅か2年で500棟という、

次から次へと続々と建築した
あまりにも急すぎる事業展開です。

当初は場所も良かったようですので、
ちゃんと稼働している物件もあったようですが、

だんだんと都心から離れてしまったり、
駅からの徒歩10以上離れている所に建っていたり、

入居者が「住みたい」という視点からずれてしまったようです

入居者がいなければ、
家賃保証契約の元手となるお金が入ってこないのですから
オーナーに家賃など払えるわけがないですよね。

せっかくのビジネスモデルも成り立たなくなってしまいます。

そして、最終的に
運営会社の破産という結果になってしまったというわけです。

このように
シェアハウス投資におけるサブリース契約では、
空室が多数出てしまうとは運営の致命傷になります。

シェアハウス投資で自己破産した本当の理由は○○だ!


ということで、
シェアハウス投資の失敗の原因について書きましたが、

では、シェアハウス投資の被害者が
自己破産するまでに至ってしまった
「本当の理由」は何なのでしょう?

実はシェアハウス投資に限らず、
不動産投資を成功させるための鍵は
「購入までのステップ」だといわれています。

つまり、不動産投資のウエイトは

買うまでが8割
買ってからは2割

と考えてください。

買うまでのステップで特に重要なことは2つです。

1.立地
2.事業計画

この2つを間違えずに不動産を購入できれば、
あとは運営(管理)会社とのパートナーシップで
安定した運営をすることができます。

ということは、
今回の「かぼちゃの馬車」のシェアハウス投資で
被害者が自己破産した本当の理由は、

ちょっと厳しい言い方をすると、

オーナーが2つの重要なステップを
踏まないで購入してしまったことだと
私は思います。

実際、「かぼちゃの馬車」の
シェアハウスを持っているオーナーさんでも

立地が良い物件を購入できたので、

「事業計画は甘かったけど、
今は自分で管理することでこのリスクを切り抜けた」

という方もいらっしゃいます。

ただ、残念ながら、

立地も駅から遠い・・・
事業計画も企画会社の言いなり・・・

こういう形でシェアハウスに
投資してしまったオーナーさんは

これから相当努力することが必要かなと思います。

まとめ


今回は、今、問題になっている
シェアハウス投資の失敗について書いてきました。

では、結局のところ、あたなは
シェアハウス投資はどうなのよ?
って思っているかもしれません。

私は現在、
シェアハウスを自分で運営管理しています。

そして、
お陰様でほぼ8割の入居率で稼働しています。

また、
入居者の方々とも
密にコミュニケーションをとることで、

通常のアパートやマンション以上に
楽しい運営ができています。

そういう意味では、私にとっては
シェアハウス投資は
とても魅力あるものだと思っています。

巷では、シェアハウスは

「もう遅いんじゃない?」とか
「若者も減ってきて入居者がいなくなるじゃない?」

と言う人もいます・・・

でも・・・
「何が遅いんでしょうね?」

だって、
これから日本には何百万という
若い外国人が夢を持って日本に来るのですよ。

そういう
「夢を持った若い人」たちに
衣食住の一つである「住環境」を提供できるって
ものすごく素敵なことではないですか。

私は、
これから日本のシェアハウスは
「投資」以上の価値がでてくると思っています。

シェアハウス投資についてまとめると、

シェアハウスは

1.立地
2.事業計画

を間違えずに購入して、

自分で、もしくは信頼できる運営会社と
パートナーシップを組むことで、

まだまだ魅力的な投資にすることができる

と私は思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました。